心のネジを巻く日記

発達障害児の子育てと日常を綴るブログです

アンパンマンに救われていたころ

あんぱんまん (キンダーおはなしえほん傑作選 8)

今日はお昼11時から「アンパンマン」の放送があったようで、それを新聞でチェックしていた長女が「アンパンマン見たい」と言っていました。

でも、ちょうどその時間、私は次女の夏休みの宿題を教えていて、気付いたら12時前。「アンパンマン」は終わってしまっていました。

「アンパンマン終わっちゃったよう」と残念そうに言う長女。

「あれ、テレビつけて良かったんだよ?見なかったの?」

「見なかったの」

「DVDかけてあげようか」

「いらないよー」

長女は頭にクッションをのせて、恥ずかしそうに顔を赤くしていました。小学6年生で「アンパンマン」を見たがるのは、恥ずかしいことと思っているみたいです。

アンパンマンが見たい

「アンパンマン」の放送日は、さっきHPでチェックすると金曜日の午前中のようですが、たまに平日の午前中に再放送がやっているんですよね。

それで、長女は風邪で学校を休んだ時とかに1人で見ていて、夏休みに入ってからも見れる時は見ているのです。

ただ、喜んで笑いながら見ているというわけではなく、ただ、じぃ〜っと見てるんです。たぶん、小さい頃ずっと「アンパンマン」を繰り返して見ていたので、安心感があるのではないかと思います。

睡眠障害とアンパンマン

長女は赤ちゃんの頃から睡眠障害で、本当に眠らない子どもでした。

ずっと母乳で育てたのですが、おっぱいをしないと眠らないし、少しでも私が身体を離すと起きてしまいます。

寝付きが悪く、眠りが浅いという、睡眠障害の見本みたいな子どもでした。

長女の睡眠障害が1番ひどくなったのが、2歳半で妹が生まれてからです。

もともと過敏な子どもだったので、初めて見る赤ん坊と、そのぎゃーぎゃーと泣く姿が大きな恐怖だったのかも知れません。

今まで独占できていた母親は赤ん坊につきっきりだし、生活リズムは大きく変わってしまうし、もう何が何だか分からずパニックを起こしているような感じでした。

赤ん坊と二歳児の泣き声合唱?

赤ん坊の泣き声とリンクして泣き出す長女。昼間はまだ良いのですが、夜中、まったく眠らない長女に付き合うのは本当に大変でした。

まず、寝室に1歩も入らないのです。連れて行こうとすると過呼吸になるまで泣きわめく日々が続きました。

どうにかして寝室で眠らせようと努力したものの全然ダメで、ついには諦めて、リビングにマットを敷いて一緒に遊んだりテレビを見たりして夜を明かしていました。

専門家の冷たい言葉に傷付く

長女が夜に寝ないことについて、保健所の育児相談やかかりつけの小児科で度々相談をしました。

でも、子どもの発達や病気に詳しいであろう専門家から返ってきた言葉は、「2.3歳の子どもなんて放っておいたら勝手に寝ますよ」「何日も眠らない子どもなんていません」でした。

でも、眠らないんですよ。本当なんですよ。

もちろん、昼間にベビーカーの上とかで細切れに眠ったりするのですが、夜は絶対に寝ないんです。

深夜に、私がまるで気絶するように意識を無くしてしまって、数分後にはっと気がつくと、長女はしっかり起きていました。

「なんで眠らないの?」

「眠いでしょ?」

「お願いだから寝てよ」

喉まで出かかった言葉を飲み込んで、無表情にテレビを見つめる長女に寄り添っていました。

寝ないのは甘え?

病院や保健所では頭から否定され、親や夫からは「おまえが甘やかしすぎるから」と言われ、正直に言ってかなり精神が追いつめられていました。

あまりネガティブなことは書きたくないのですが、あの頃は自分自身を責め続け、生きていくことがつらいと毎日思っていました。

助けてくれたのはアンパンマンだった

アンパンマンのこもりうた―おやすみまえのおはなし

私が長女に翻弄されて苦しんでいた時、そばで優しい言葉をかけてくれるような人は誰1人いませんでした。

でも、長女に「アンパンマン」を見せておけば落ち着いて静かにしておいてくれるので、録画した「アンパンマン」を繰り返し再生しながら家事をしたり、次女の世話をしたり、ほんの少し仮眠をとったりできていました。

あの頃、「アンパンマン」という存在が無かったら、本当にダメになっていたかも知れません。大げさではなく、そう思います。

平和で優しい「アンパンマン」の世界。みんなが助け合って、誰かが誰かのためを思い、笑ったり泣いたりする世界。

「アンパンマン」がテレビで流れていると、さっきまで憂鬱な空気だった部屋の中が自然に明るくなり、目の前の悲しみも時間が過ぎればきっと楽しい思い出になるんだと感じることができました。

今は本当につらいけれど、これが一生続くわけじゃない。頑張っていれば、きっと明るい人生が待っている。そんな風に前向きになれたのは、「アンパンマン」という物語のおかげだったのです。

やなせたかし詩画集「希望」

やなせたかし詩画集「希望」

平和な日々を送れることに感謝して

長女の睡眠障害は、一時は睡眠導入剤や精神安定剤を処方されるほどでしたが、今ではなんとかお薬の力を借りずに眠れるようになりました。

こうした経緯があるので、長女が「アンパンマン」を見ていると、あの、「アンパンマン」に助けられていた頃をどうしても思い出してしまいます。

あの頃は、こんなに平和な気持ちで数年前を振り返る日がくるなんて、本当に想像もできませんでした。

「アンパンマン」に感謝して、やなせたかし先生に感謝して、今日も元気に子育てに励みます。