心のネジを巻く日記

発達障害児の子育てと日常を綴るブログです

辻井伸行さんインタビュー「僕には一生ゴールはないと思います」

マイ・フェイヴァリット・ショパン

関西ローカルのニュース番組「かんさい情報ネットten」では、金曜日に清水アナウンサーのインタビュー企画を放送しているんです。

これまでに市川海老蔵さんや瀬戸内寂聴さんなど、普段あまり本音を聞くことができないような有名人と清水アナとの対談が見れるというのが嬉しいところ。

毎週ではないのが残念ですが、放送があるときは必ずチェックするようにしています。

そして、今日のインタビューは全盲のピアニスト辻井伸行さんが登場するということで、ずっと前から楽しみにしていました。

幼少期からピアノが大好き!

辻井さんが一躍有名人になったのは、第13回 ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールに日本人で始めて優勝したことからです。

当時20歳の青年が世界的なコンクールで優勝したこともすごいことなのですが、なにより世間を驚かせたのは、その青年が全盲だったことでしょう。

辻井さんは、 ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールに優勝した時のことを振り返って、「まさか自分が優勝するなんて思っていなかった」と言います。

「とにかく準備する曲が多くて、それだけで大変でした。みなさん素晴らしいピアニストばかりですし、名前を呼ばれた瞬間ビックリしました」

清水アナから「優勝して自分の中で変化はありましたか?」とたずねられた辻井さん。

「自分自身は何も変わりません。ただ、コンサートが増えて忙しくなっただけです」

と、にこにこしながら答えていました。

辻井さんの音楽の原点は?

辻井さんのお母さんはインタビューで息子さんにピアノを始めさせるきっかけについて、あるエピソードを語っていました。

生後8カ月頃の伸行さんはショパンの「英雄ポロネーズ」が大のお気に入りで、それを聞くと全身を揺らして喜びを表現していたそうです。

しかし、ある日いつも聞かせているCDの調子が悪くなってしまい、別のクラシックのCDで「英雄ポロネーズ」を聴かせるようにしました。

すると、今まであんなにも喜んでいたはずの伸行さんが不機嫌になってしまい、まったく嬉しそうにしないのです。

不思議に感じたお母さんは、前と同じロシアのブーニンが弾く「英雄ボロネーズ」のCDを買い直し、試しに聴かせてみました。

ブーニンのピアノが聴こえるとすぐに喜びを爆発させる伸行さん。

「この子はすでにピアニストを聞き分ける耳を持っているんだ!」そう確信したお母さんは、伸行さんにはきっと天性の音楽の才能があるのだと感じたそうです。

最初はおもちゃのピアノから

物心ついた時からおもちゃのピアノを弾き始めた辻井さん。2.3歳になると、母親の歌声に合わせて伴奏を弾くようになりました。本格的にピアノを習い始めたのは6歳からです。

楽譜は点字のものもありますが、出来上がるまで時間がかかるので待ちきれず、片手ずつのパートを録音したテープを作ってもらって耳で覚えて練習をしました。

この練習法は現在も同じなのだそうです。

両親の支え

辻井さんがピアノの上達をすることより、楽しそうにしているのが嬉しかったと言うお母さん。

「ピアニストに育てようとは全く思っていませんでした。楽しむ姿を見たかっただけです」

優しそうな笑顔で振り返るお母さんに対し、辻井さんは「いつも母は優しくて明るくて、僕を褒めて育ててくれました」と、感謝していました。

お父さんからは厳しい言葉を言われることもあり、中学生の頃には反抗をしていた時期もあったそうです。

「小学1年生で始めてコンクール優勝した時、僕や母は大喜びしているのに、父だけは『リトルリーグで優勝してもプロ野球選手になれる人は少ない。だから、優勝に浮かれずに勉強もきちんとやりなさい』と言ってきたんです。せっかく喜んでるのに、なんでそんなこと言われないといけないの?って…」

辻井さんは言いたいことをはっきりと父親に言って、ケンカもたくさんしてきたそうですが、それだけ、親子で何でも話せる関係性ができあがっていたということですよね。

コンクール優勝で大喜びしている家族を尻目に、「だけど他のことも頑張らないとダメだぞ!」っていうお父さんの言葉にも、伸行さんを心から愛している気持ちがあらわれています。

お父さんは産婦人科医で、夜中でも急患があれば飛び出していく父親を見るたび、「お父さんも頑張っているんだ」と、伸行さんの心に自然と感謝の気持ちが芽生えたそうです。

「おまえもいつかは自分のお金で寿司が食べられるくらいに頑張らないといけない」と父親から言われたという伸行さんは、「今はもちろん自分のお金でお寿司を食べてますし、両親にもごちそうしています」と、誇らしそうに語っていました。

辻井伸行さんのこれから

さまざまな舞台で活躍をして、世界が注目するピアニストに成長した辻井伸行さん。今はマネージャーの浅野さんと一緒に世界を飛び回っています。

コンサートが近くなると1日7.8時間はピアノを弾き続け、体力をつけるためのトレーニングや気分転換の水泳、カラオケ(得意なのは氷川きよしやクレイジーケンバンド)などをして過ごしているそう。

彼女は今のところいませんが、もしできたら「彼女のために曲を作ってあげたい」と言って、すぐに「出来ても無いのにこんなこと言って…」と恥ずかしそうにしていました。

好みのタイプはフィギュアスケートの浅田真央ちゃんで、「勝負師な所が自分に似ているから」と言ってましたよ。

ピアニストとしての今後については、「音楽は終わりがないから、まだまだ勉強をしなくてはいけない。音楽家は一生勉強」と語り、「僕には一生ゴールは無いと思います」と締めくくっていました。