心のネジを巻く日記

発達障害児の子育てと日常を綴るブログです

東田直樹さん「自閉症の君が教えてくれたこと」|彼の存在が自閉症児の未来を明るく照らしている

自閉症の僕の七転び八起き

自閉症や発達障害の子どもを持つ親なら、東田直樹さんのことをご存知の方もたくさんいると思います。

私は数年前にNHKのドキュメンタリー「君が僕の息子について教えてくれたこと 」で東田直樹さんの存在を知り、本当に衝撃を受けました。

重度の自閉症の人が、自らの考えを他者に意思表示できる光景は、ほとんど奇跡であるようにも思えました。

東田直樹さんとは

東田直樹さんは重度の自閉症者であり、作家として、文章を書くお仕事をされています。日常会話は難しく、パソコンや文字盤を使って自分の気持ちを伝えます。

自閉症は先天性の脳の機能障害なので、東田さんは産まれた時からさまざまな特性を持っていたわけですが、それでもなんと小学5年生まではお母さんの付き添いで通常学級に行かれていたそうです。

幼い頃から詩や物語を書くことが得意だった東田さんですが、13才の時に書いたエッセイ『自閉症の僕が跳びはねる理由』が世界的なベストセラーになり、注目を浴びることになります。

『自閉症の僕が跳びはねる理由』

『自閉症の僕が跳びはねる理由』が世界30カ国で発売されるベストセラーになったのは、イギリス人作家のデビッド・ミッチェルさんの目にこの作品がふれる機会があったからです。

デビット・ミッチェルさんには、東田さんと同じ自閉症の息子さんがいました。

常日頃から「会話ができない息子がどういう考えを持っているのか知りたい」と思っていたデビットさんにとって、東田さんの『自閉症の僕が跳びはねる理由』は、まさに「息子はこういう風に世界を見ているんだ」ということを教えてくれる1冊でした。

重度の自閉症者が、自分の意思をきちんと言葉に変換して他者に伝えることができるなんて、誰が想像していたでしょうか。

だからこそ、この本を読んだ人、特に以前から自閉症者と関わっていた人は本当に驚いてしまったのです。

「君が僕の息子について教えてくれたこと」

2014年の夏に放送された、このドキュメンタリーのタイトルは、そのままデビット・ミッチェルさんの想いですし、他の自閉症者の親もデビットさんと同じように、「東田さんのおかげで我が子について理解を深めることができた」と、感じた人は多かったと思います。

私も東田さんのドキュメンタリーを観たおかげで、「長女が意味不明な言動をしている時にも、心の中では別の思考が渦巻いているんだ」と、気付くきっかけにもなりました。

母親の愛情と努力に支えられている

東田さんが重度の自閉症者でありながら作家として活躍を続けてこられるのは、もちろん彼の才能によるものも大きいですが、やはりお母さんの愛情と努力が支えている部分も多分にあるでしょう。

東田さんのお母さんは、彼が幼少の頃から全ての面をサポートされています。

ドキュメンタリーを観ていても、陰ながら一生懸命息子を支えるお母さんの姿が所々にあらわれていますし、日常生活のさまざまな場面で「彼がどうしたいか」「何を考えているか」という、言葉にできない部分を先回りして理解して配慮してあげているのも伝わってきます。

こういう配慮は、「我が子なんだから当たり前」と思われる人もいるかも知れませんが、当事者である親は本当に大変な思いをしながら必死の思いで子どもをサポートしています。

自分のことは全て後回しにして、我が子のことを最優先に生きていく。これは言うほど簡単なことじゃ無いんです。

東田直樹さんのお母さんは、きっとどこかの時点で「自分自身の人生の喜び」を諦め、「息子の人生の喜び」に同化させたんじゃないでしょうか。

私も、自分の人生の目標や喜びを全て諦めて捨て去って、長女のために生きると覚悟を決めた瞬間があったので、もしかすると東田さんのお母さんもそうだったのかも知れないなと感じました。

自閉症に関係ない人にも見てほしい

今夜、NHK総合では『自閉症の君が教えてくれたこと』が放送されます。

このドキュメンタリーは、「君が僕の息子について教えてくれたこと」の続編であり、24歳になった東田直樹さんの新しい挑戦が収録されている番組です。

自閉症について、身近にいないから分からないという人や、そもそも興味が無いという人にも、ぜひ観てもらいたいと思っています。

東田さんの存在は、自閉症者の親にとって希望です。

「自閉症だから何も分かっていない、何も考えられない、何もできない」という、自閉症を知らない人達からの偏見や無理解に立ち向かうための、明るい光になると信じています。