心のネジを巻く日記

発達障害児の子育てと日常を綴るブログです

NHKスペシャル『発達障害-解明される未知の世界』を見た感想

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先日、NHKスペシャルで『発達障害-解明される未知の世界』という特集を放送していました。

司会は「あさイチ」コンビの井ノ原さんと有働アナウンサーで、生放送しながら視聴者の意見も紹介するという内容でした。

発達障害者を理解する必要はある?

発達障害って、以前よりは世間の理解が進んでいるとは思うのですが、それでも、当事者やその家族の苦悩を分かってもらうのは難しいと感じます。

「自分のことで精一杯なのに、なんで発達障害者のことまで理解しなくちゃいけないの?」

そんな意見もあります。

こちらは何も、一方的に「理解してくれ!」と頼んでいるわけでは無くて、これは相互理解だと思うのですが、なかなか受け入れてもらえない現状があります。

ですから、こういった番組を企画してもらうこと自体、当事者側からするとすごく有り難いことです。

NHKスペシャルの内容

今回のNHKスペシャルは、発達障害についての最新情報、研究結果を紹介しながら、「発達障害者はいったい何が原因で生きづらいのか」「どうすれば支援ができるのか」を考える内容でした。

1時間という短い時間ではありましたが、発達障害者の就労支援についても教えてもらえました。

発達障害ってどんな状態?

番組の冒頭では、発達障害とはいったいどういうものか、という説明がありました。

自閉スペクトラム症や、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、学習障害(LD)などが実際にどういう障害で、本人はどのように「困り感」を感じているのかを本人目線のVTRで詳しく説明されているのがすごく分かりやすかったです。

例えば、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の子供がどうして授業中に先生の話しが聞けなかったり、じっとして集中できるのが苦手なのかというと、

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の人は、教室の壁の張り紙やお友達の髪留めなど、視界に入るものの情報に反応しやすく、1つのことに気を取られるとそれだけで頭の中がいっぱいになってしまうから、授業に集中ができなくなることや、

自閉スペクトラム症の人は感覚が過敏な人が多く、ざわついた場所では目の前の人の言葉が聞こえにくくなったり、外に出ると光を強く感じてまぶしさで視界が悪くなって不安感が強まることなど、

これまでの様々な研究でやっと分かってきた「発達障害の人はどんな風に世界を感じているのか」について、まとめられていました。

出演者も発達障害者

番組には、2年前に発達障害者であることを公表したモデルの栗原類さんをはじめ、大人になってから発達障害と診断された40代の男性や、東大で当事者研究をされているという発達障害の女性も出演していました。

このお2人は、光や音に敏感でスタジオの中にいることも不安が強いということで、スタジオのセットもできるだけ負担の少ない状態にしたのだそうです。

また、出演中は相手の顔を見ないで話すというルールを作ったり、男性の方はぬいぐるみを抱っこしておくことで気持ちを安定させるという工夫もされていました。

普通にみえるように努力していた

出演者の方の言葉で心に残ったのは、発達障害と診断されるまでは、なんとか普通に見えるように振る舞おうと努力をしていてすごくストレスや疲れを感じていたということです。

日常の様々な場面が、本当は苦手だったりつらかったりするのだけど、みんなが普通にしているのだから、できないのは自分がおかしいのだ。

だから、無理をしてでも普通のふりをして生きていかなければ。

そんな風に頑張っている発達障害者って、すごくたくさんいるように思います。

分かってくれる人を探す

栗原類さんは、学生時代はなかなか友達が出来ず集団生活でつらい思いをすることも多かったそう。

そんな時にどうやって自分をコントロールしていたかというと、信頼できる存在である母親と主治医の先生に自分の気持ちを聞いてもらうことで、精神を安定させていたのです。

栗原類さんは、母親と主治医の存在で自分が救われていたと言うことを何度も何度も言っていました。

そして、発達障害者へのアドバイスとして、「できれば分かってくれる人を見つけて欲しい」と言っていました。

発達障害者であってもなくても、自分自身を理解して味方でいてくれる人がいるかいないかってすごく重要ですね。

発達障害者は世間の中で理解を得られない場面もたくさんあるので、身近に信頼できる相手がいたほうが絶対に良いとは思います。

それが家族であれば1番ベストですよね。

発達障害者の就労支援

 

海外では発達障害者の就労支援が進んでいるそうです。アメリカのマイクロソフト社では29人もの発達障害者を雇用しているのだとか。

発達障害者は細部へのこだわりが強く、緻密さが求められる仕事に適しているとも言われます。

そうした特性を利用すれば、会社へのメリットも大きいのです。

これからの時代は、他人と違う「個性」が重要視される社会になり、誰も考えないアイデアを持っていたり、人と違う物の捉え方、見方が出来る人というのを企業側は求めているのです。

日本の発達障害者の就労は?

 

番組の中で、日本の企業に障害者枠で採用された男性が紹介されていました。

その男性は数字へのこだわりが強いので、経理が得意なのです。伝票の小さなミスも逃さず、少しでもおかしいところがあればすぐに担当者に連絡を取って確認します。

こうした緻密さや正確性、几帳面さをうまく生かして、経理という仕事に結びつけているのは素晴らしいなぁと感じました。

ただ、その男性は曖昧な表現の指示だと分からないので、これまでに指示を理解できずに失敗をしたこともあるそう。

また仕事が順調にできるからといって過大を増やした結果、ミスが増えてパニックになり社内で叫びだしてしまうこともあったのだそうです。

発達障害者の中には人より優れた能力を持っている人もいるけれど、疲れやすかったりプレッシャーに弱かったり、自分自身でも「自分がどれだけ出来るのか」を理解できていないこともあるので、その辺は企業側が配慮しながら仕事を与えることが大切だと言っていました。

少しだけ未来が明るくなった

NHKスペシャルを見て、発達障害者の親としては日本でも就労支援がひろがっていることを知れて少し気持ちが軽くなりました。

発達障害者が仕事をしようとすると、普通の企業ではなかなか難しく、かといって福祉作業所では世界が狭まってしまうというデメリットもあると思います。

発達障害があっても前向きに生きていってもらうためには、やはり「働くこと」ってすごく大切だと思うのです。

それがどんな仕事であれ、受け入れてもらえる場所が少しずつでも増えているなら、それはすごく嬉しいことですよね。